証取法会計(証券取引法会計)とは、昭和23年に制定された証券取引法の規制のもとに行われる会計制度であり、株式を公開している株式会社や一定額以上の有価証券を発行・募集する株式会社などの大会社を対象とする会計制度です。
証取法会計は投資家保護を目的とし、そのために必要な業績利益の算定を中心課題としています。そのため株式を公開している株式会社や一定額以上の有価証券を発行・募集する株式会社などの大会社に対し、商法の計算書類とは別に「有価証券報告書」または「有価証券届出書」を作成し、これを大蔵大臣に提出するとともにその写しを証券取引所又は証券業協会にも提出し、企業情報を開示することを要求しています。
また有価証券報告書、有価証券届出書には、貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書、利益処分計算書、附属明細表が含まれ、これらの計算書類を総称したものを「財務諸表」と呼びます。
財務諸表はその処理について企業会計原則に基づき、その表示について財務諸表等規則に従って作成されます。そして作成された財務諸表は公認会計士又は監査法人の監査証明を受けた後、大蔵大臣に提出するとともにその写しを証券取引所又は証券業協会に提出しなければならないこととされています。
証取法会計のまとめ
根拠法令 |
証券取引法
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目的 |
投資家保護
(具体的には有価証券取引の公正化と、有価証券の流通の円滑化)
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計算課題 |
業績利益の算定
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適用対象 |
・5億円以上の有価証券の募集または売り出しを行う会社
・上場会社
・店頭売買有価証券の発行会社
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会計監査 |
公認会計士又は監査法人による会計監査(事後監査)
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包括的会計処理規定 |
企業会計原則
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個別の会計処理規定 |
・連結財務諸表原則
・中間連結財務諸表等の作成基準
・連結キャッシュ・フロー計算書等作成基準
・金融商品に係る会計基準
・税効果会計に係る会計基準
・研究開発費に係る会計基準
・退職給付に係る会計基準
・外貨建取引等会計処理基準
・セグメント情報の開示基準
・リース取引に係る会計基準
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表示規定 |
・財務諸表等規則(財務省令)
・連結財務諸表規則(財務省令)
・中間財務諸表等規則(財務省令)
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