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利益とキャッシュとの違い

利益とキャッシュの違いとしては損益計算書の利益とキャッシュフロー計算書のキャッシュの違いが一般的だと思いますが、もう一つ、ハンバーガーショップやスーパーのような現金商売の小売業における現金収入と実際の利益との違いもあげることができます。



現金商売の小売業における現金収入と実際の利益との違いから

ハンバーガーショップはハンバーガーを1個販売するごとにお客様より180円なり250円といったハンバーガーの代金、つまり現金収入を得ることができます。例えば販売単価200円のハンバーガーを1000個販売するとするならば、単純に計算して20万円の現金収入を得ることができます。しかしここで注意が必要なのは、当然のことながらこの20万円全てがお店側の利益とはならないということです。つまりこの20万円からハンバーガーを作るために使った食材のコストを差し引き、さらに店舗の電気代などの経費も差し引くことによってはじめてお店としての利益を計算することができます。

ハンバーガーショップは最近、値下げ競争が進んでいますのでその内部事情はよくわかりませんが、一般的にレストランやラーメン屋といった飲食業では、食材の原価は料理の値段の30%程度で(つまり粗利70%程度)、経費も料理の値段の30%程度で、結局これらのコストを差し引いた30%程度が優良なお店の純利益の目安といわれています。このように決して「販売収入=お店の利益」ではありません。この関係はハンバーガーショップや料理店に限らず、コンビニや書店などでも同じことです。

ここからは蛇足なんですが、一般的に書店の粗利はかなり低いそうです。書店は書籍を販売していますが、その販売した書籍の代金は全く書店の収入にはならず、書籍を販売したことによる手数料(委託販売手数料)を出版社から受け取るに過ぎません。まあ、書店は書籍が売買される“場”を提供しているだけであり、商品である書籍に対してなんら付加価値を与えていませんから当然といえば当然なんですが……。また逆に高い粗利を稼いでいる企業にはセブンイレブンジャパンがあります。セブンイレブンジャパンは自ら商品を販売するのではなく、フランチャイズという形式で自社の経営ノウハウやブランドを他社に提供することで手数料収入を稼ぐことを本業としています。ちなみにセブンイレブンジャパンの1995年2月決算における粗利率はなんと90%です。かなり話がズレてしまいましたが、このあたりについてさらに詳しいことをお知りになりたい方はグロービス著『MBAアカウンティング』を読まれるとよいと思います。



キャッシュフローの観点から

次にキャッシュフローの観点からの利益とキャッシュの違いですが、ここからは先の解説のような現金商売の小売業ではなく、一般的な企業をイメージして下さい。通常企業は企業間で取引を行う場合(BtoB)、仕入代金や売上代金を取引時点で即時現金で決済するのではなく、月末締めの翌月払いというように売掛金や買掛金で信用取引することが通常です。そのため、当月100万円の商品を得意先に販売したとしても実際にその100万円の代金が会社に現金収入をもたらすのは月末か翌月末ということになってしまいます。

そしてこのような企業間取引において「現金主義(注1)」といって現金を収入した時点または支出した時点で収益や費用として認識する経理方式を採用している場合であれば、代金が現金によって回収される時点で売上高が計上されるため、売上収益の計上時点と売上代金の回収時点がズレることはありません。

しかし、現代の通常の企業のように信用取引を行っている企業は現金主義による経理方式を採用することが認められませんから、収益や費用の認識を現金の収支に基づいて行うのではなく合理的な期間帰属に基づいて、それが発生したと認められる会計年度に認識する「発生主義(注2)」という経理方式を採用しなければなりません。そのため売上収益を認識する会計年度と、代金が実際に回収される会計年度というのは必ずしも一致しないこととなります。

このように発生主義会計を採用している場合における収益の認識時点のズレによりキャッシュと利益とはズレが生じます。そしてこの場合におけるズレは収益の認識と実際の現金の収入時点との時間的なズレであるといえます。

それに対して先の解説のような現金商売の小売業における現金収入と実際の利益との違いは売上収益とコストの関係に基づくズレであるといえます。






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