企業会計の理論構造とは
会計情報を利害関係者に適切に伝達するという会計の目的が十分に達成されるためには、情報の収集・測定・伝達が一般に認められた原則に基づいていなければなりません。
また、その原則が成立するためには、会計の仕組みについていくつかの基本的前提が広く認められた仮定として存在する必要があります。
企業会計においては、まず会計公準が会計が行われるための基本的前提を示し、それに立脚して会計原則または会計基準が企業会計の具体的な行為規範を示し、その上で会計手続が企業会計の具体的な処理手続を示すというような理論構造になっています。
このようにしてみてみると企業会計の理論構造は、下部構造である会計公準、次に中間構造である会計原則又は会計基準、そして上部構造である会計手続と三段重ねのピラミッド構造になっていることが分かると思います。
企業会計の理論構造の具体例
例えば減価償却における定額法や定率法を例にとってみますと、定額法や定率法といった会計手続は、「資産の取得原価は資産の種類に応じた費用配分の原則によって各事業年度に配分しなければならない」という会計原則に基づいた会計手続であり、
またそもそも費用配分の原則は、企業は解散や倒産などの事態を予定することなく、事業を継続的に行っていくという継続企業の公準という会計公準を前提に、適正な期間損益を算定することを目的としています。
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