費用とは
費用とは、収益を生み出すために要した努力です。費用は利益のマイナス要因です。
費用の発生原因による分類
費用は一般的にその発生原因により原価、費用、損失に分類されます。
原価とは、売上原価、製造原価のように、売上高と直接的な対応関係があるものをいいます。
次に費用とは、人件費、地代家賃のように売上高との直接的な対応関係が希薄であるものをいいます。
そして損失とは、固定資産の売却損失や火災損失というようなある事業年度に突発的に発生したものをいいます。
ちなみに費用の分類方法には上記以外にも、売上高との対応関係から直接費、固定費と分類する方法や、原価計算上の直接費、間接費といった分類する方法等もあります。このように費用については管理や集計の必要性からこのように費用を細分化するという考え方が定着しています。
当期に発生した費用=損益計算書の費用ではない
なお、費用の金額を計算する上でとても重要なことがあり、それは、当期に発生した費用全てが当期の損益計算書に計上される費用(期間費用)になるのではなく、そのうちの当期の収益との対応関係があるもののみが当期の期間費用になるということです。
これは費用収益対応の原則という考え方に基づきます。
このように費用は、原因事実の発生イコール費用の計上という手順をとらず、原因事実の発生後、収益との対応関係というフィルターに通し、収益との対応関係があると判断されたもののみが当期の期間費用となるという二段階の手順を踏んだのち損益計算書に費用として計上される仕組みになっています。詳細につきましては費用収益対応原則をご覧ください。
費用のうち一定のものは資産となる
また費用の中には会社を設立するための設立費用や、新製品の開発のための開発費というように、将来の収益を獲得することを目的として支出されたもので、その効果が将来の期間にわたり長期的に発現するものがあります。
これらの支出は費用としての要件を全て備えており、本来であればその支出した事業年度に全額費用として損益計算書に計上されてもおかしくないですが、将来の利益獲得に貢献するため将来の収益との対応関係を重視し、会計学においてはこういった費用を繰延資産として当期の費用から除外して貸借対照表に資産として繰り延べることとしています。
なお、現実の企業会計実務においては繰延資産を計上する会社はほとんどありません。
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