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資産とは

資産とは、企業等の経済主体に帰属する用益潜在力貨幣額で合理的に評価できるものと定義されます。


 

財産だけが資産ではない

つまり、現金や土地、建物のように財産価値があるものに限らず用益潜在力があるものが会計上の資産となります。


借りてるだけでも資産となる

例えば会社がリース会社などから借りているコピー機ですが、これは借りてるだけなので所有権はリース会社に帰属してますが契約によってはそのコピー機の所有権は有さない借りてる会社の資産となります。

所有権はリース会社にあるのにその会社の資産?と思うかもしれませんが所有権の有無にかかわらずその会社が専属的に利用していて事業活動を通じて収益を生むという点に関しては自社購入している場合と全く同じです。

つまり経済的に自己所有資産と同質であるため真実な会計報告のためにこれを資産とします。


 

経済的な利用価値に着目している

会計学は法律形式ではなく経済実体を重視します。したがって所有権の有無、売却価値の有無ではなく経済的な利用価値によって資産の範囲を定義しています。つまりそれが用益潜在力です。


貨幣額で合理的に評価できるものがけが資産となる

なお、事業活動を通じて将来会社に利益をもたらす用益潜在力があるもの全てが資産となるのではなくそのなかでも合理的に貨幣で評価できるものだけが資産となります。

期間損益計算上、期首と期末の純財産を比較してその増加分を利益とするため利益計算の確実性を確保するためです。


貸借対照表における資産の表示場所

資産は貸借対照表において下の図解の赤い枠の部分に記載されます。



なお資産は貸借対照表において次の3つに区分して記載されます。


  • 流動資産
  • 固定資産
  • 繰延資産


流動資産

流動資産とは、名前のとおり短期的に現金化が予定されている資産をいいます。(ワンイヤールール)

ただし短期的な現金化が予定されていないものであっても正常な営業循環過程にあるものも流動資産となります。正常な営業循環とは要するに本業のビジネスです。

例えば、仕入から販売に至るまでの期間が数年を要する棚卸資産は短期的に現金化することは不可能であったとしても本業のビジネスに関する正常な営業循環過程にあるため流動資産となります。

例えば土地を仕入れてそこにマンションを建築をしてそのマンションを区分販売する不動産デベロッパーなどが有する土地などがこのケースに該当します。

なお、ワンイヤールールの適用にあたっては、貸倒れ等により結果的に1年以内に現金化出来ない場合であってもそれは考慮せず、あくまで決算日時点を基準としてワンイヤールールを適用します。


 

固定資産

固定資産とは、長期間にわたって企業に使用され、または企業に保有される資産のことをいいます。

したがって例えば金額が数万円であっても長期間にわたって使用可能な備品等は固定資産に該当し、逆に金額が100万円であっても使用可能期間が1年に満たないものは固定資産には該当しません。この場合にはその100万円は消耗品費、修繕費等として全額費用となります。

なお、法人税法のルールにより10万円未満の資産は利用可能期間の有無にかかわらず一律に消耗品等とすることが認めれていますので経理上はそれに従うことが多いです。同様のルールは次のとおりです。


  • 10万円未満の少額減価償却資産
  • 20万円未満の一括償却資産(3年均等償却)
  • 30万円未満の少額減価償却資産(中小企業者等の優遇)

有形固定資産と無形固定資産

なお固定資産には有形固定資産と無形固定資産があります。

有形固定資産とは文字通り建物や土地、機械などのように具体的な形態を有する資産のことで減価償却を通じて費用化していきます。

それに対して無形固定資産とは特許権や営業権、商標権といった法律上の権利です。無形固定資産も減価償却を通じて費用化していきます。


減価償却資産

固定資産は長期間に渡って企業に利用され効用を発揮するものであるため、適正な期間損益計算の観点から支出時点で一時の費用とせず、減価償却を通じて費用化していきます。

ただし固定資産のうち土地、美術工芸品などのように減価しないものついては減価償却を行いません。


繰延資産

繰延資産とは、企業が創立するまでに要したもろもろの費用や、株式発行に要したコストなどでその支出の効果将来にわたって長期的に発現すると見込まれる特定の費用をいいます。



資産に関する企業会計原則の規定

貸借対照表原則一D、繰延資産の計上
将来の期間に影響する特定の費用は、次期以降の期間に配分して処理するため、経過的に貸借対照表の資産の部に記載することができる。
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貸借対照表原則五、資産の貸借対照表価額
貸借対照表に記載する資産の価額は、原則として、当該資産の取得原価を基礎として計上しなければならない。資産の取得原価は、資産の種類に応じた費用配分 の原則によって、各事業年度に配分しなければならない。有形固定資産は、当該資産の耐用期間にわたり、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、 その取得原価を各事業年度に配分し、無形固定資産は、当該資産の有効期間にわたり、一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分しなけ ればならない。繰延資産についても、これに準じて、各事業年度に均等額以上を配分しなければならない。
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貸借対照表原則五A、たな卸資産の評価
商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産については、原則として購入代価又は製造原価に引取費用等の付随費用を加算し、これに個別法、先入先出 法、後入先出法、平均原価法等の方法を適用して算定した取得原価をもって貸借対照表価額とする。ただし、時価が取得原価より著しく下落したときは、回復する見込があると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額としなければならない。

たな卸資産の貸借対照表価額は、時価が取得原価よりも下落した場合には時価による方法を適用して算定することができる。
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貸借対照表原則五D、有形固定資産の評価
有形固定資産については、その取得原価から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。有形固定資産の取得原価には、原則として当該資産 の引取費用等の付随費用を含める。現物出資として受入れた固定資産については、出資者に対して交付された株式の発行価額をもって取得原価とする。
償却済の有形固定資産は、除却されるまで残存価額又は備忘価額で記載する。
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貸借対照表原則五E、無形固定資産の評価
無形固定資産については、当該資産の取得のために支出した金額から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。
解説ページへ



貸借対照表

貸借対照表とは(定義、雛形、様式)
資産とは(定義、用益潜在力、財産)
負債とは(定義、経済的負担、法律的債務)
資本とは(資本金、拠出資本、留保利益)

損益計算書

損益計算書とは(定義、雛形、区分、構造)
収益 (定義、アプローチ)
費用 (定義、アプローチ)
損益計算書の利益 (経常利益、営業利益)



資産概念の移り変わり(参考)

資産とはある特定の経済主体に帰属する用役潜在力であるという定義は、あくまで現代の動態論会計を前提としたものであり、この資産定義は大昔から現代に至るまでずっと普遍的に存在してきたものではありません。

現代は損益計算を重視する動態論会計といわれますが、会計の歴史を振り返ってみると、かつて財産計算を会計の目的とする静態論の時代がありました。その当時は資産を過大に評価して不当に会社を大きく見せようとする泡沫会社を取り締まる意味から、資産の概念を財産価値のあるものであると厳密に定義していました。

しかし時代が移り変わるにつれ、会計の目的が財産計算から損益計算へと移り変わり、それに伴って資産概念も用役潜在力のあるものへと移り変わってきました。その結果、今日のような資産とは用役潜在力であるというような資産概念が存在するわけです。

このように会計の目的が時代の移り変わりによって変化するものであるのと同様に、資産の概念も時代の移り変わりによって変化してきたものなのです。



資産概念の多義性(参考)

資産とはなにかという資産概念については、現代の動態論会計を前提とするならば、それは将来の用役潜在力であると一般的に考えられます。しかし実は現代の動態論会計を前提にしてもこれ以外にも資産概念について種々の考え方があります。

例えば@資産を貸借対照表の財政状態表示機能に着目した場合の資本の運用形態と定義するもの、A貸借対照表を損益計算の未回収項目の収容の場としてとらえた場合の支出・未費用項目、支出・未収入項目、収益・未収入項目と定義するものなどです。

またそもそも資産の概念は貨幣性資産と未貨幣性資産とにわけて、それぞれ個別に考えるべきものであるという説もあります。それが「資産二元説」です。





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